2012/07/17

闇詩人のモノローグ2




紫月 望愛


今まで1人ぼっちでよく耐えたね。あんたの背負った十字架、一緒に背負ってあげるよ。

周りをもっとよく観てごらん。
あんたが思ってる程、世の中そんなに汚くないよ。

いい加減疲れたでしょう?
もしあんたが本当に頭がいいのなら、もうとっくに分かってるはずだよ。


人を憎めば憎む程、恨めば恨む程、自分自身が苦しむだけだって!


あんたが本当に望むなら、闇の出口はすぐ目の前にあるんだよ。
簡単に許せないのはわかってる・・・。



だから・・・



死んでしまったママンの代わりに言ってあげるね。





「 ミ シ ェ ル、 あ な た を 愛 し て る。

弱 い マ マ ン で 本 当 に ご め ん ね。


生 ま れ て き て く れ て、 あ り が と う ・・・。 」










mizutamaX




眠れないのは誰のせい。
君のせい?
手をかざして
その柔らかな呼吸を確かめずにはいられない。

その吐息に安心し
そして それと同時に
その口を塞ぎたくもなってしまう。

いつか
話したね。
愛とは逆説に満ちていると。

君と共にある日常は
こうして すぐに確かめられるというのに
それなのに なぜ
時折 こんな焦燥感を思い出してしまうのだろう。

君の呼吸を確かめて
そして 僕は安心する。
けれど
それと 同じくらい
その口を塞ぎたくなる。



昔 云った 自分の言葉に
こうも傷つけられる



こんな夜は

眠れないのは
誰のせい?

君のせい?
それとも・・・。















マリナ(P)


(sin様の”愛は狂気”を受けております。)
おそらくポルトオシエルから覚める以前の二人…なのでしょう。


―――そうね、あんたの言うとおりかもしれないわね。

誰だって、好きになっちゃったら、その人を独り占めしたいっておもっちゃうもの。
つまるところみんな、淋しがりやさんなのよね。
誰かに必要とされるのって、そりゃあ嬉しいもんよぉ、ああ、あたしここにいてもいいんだわって、あったかい気持ちが胸にあふれてくるようだもの。

ふふ。
誰かを恋うる始まりって、病気にかかったみたいにおかしくなっちゃうのよね。

でもほんのちょっとタイミングがズレちゃったり、ボタンを掛け違えちゃったりすると…悲しいけど、とっても辛い傷を負うわね。
それこそ、あんたが言うように狂気、なんて言葉が引き合いに出されてしまうような…。

―――人間ってすごいわね。
それだけあぶないリスクを伴ってでも、誰かをほしいって思うなんて、ふふ。

でもあたしはあんたが言うように、これは神様が与えた罰だなんて思わないわよっ。
そう思う気持ちは時として”力”にもなるのよ! 優しさにだってあったかさにだってなるっ。

…あんたはどう思った? 
あたしとおしゃべりして、ご飯食べて、触れ合って…罰だなんて、思ったの?

ねぇ、ようは見方の角度の問題なのよ。
こんな暗いところにばっかりいるから、ヘンな気持ちになっちゃうんだわっ。
よしっ、あんたの頭の中のカビを追い払うために、明日はおべんと持ってピクニックにでも行きましょうっ。サンドイッチいーっぱい作ってっ。



―――ぎゃっ、く、苦しいじゃない、何よ急にっ。



え? 闇の中でくらい大人しくしてろって?
う、うー、やめてよっ、あたしまでヘンな気持ちに…っ、


………

…そうね、このあったかさを失うのは、確かに怖いわ…とっても、こわい…。




ねぇ、…もっとギュって、…してくれる?
あ、目つぶってみてホラ。
真っ暗で、どこからがあたしでどこからがあんたかわかんないわね、ふふ、…気持ちいい。

あたし、このあったかさを失わないように、守れるように、力を出すわ。
欲しいって求めるだけじゃなくて、あんたに必要としてもらえるように、優しさを注ぐわ。
恋や愛は五分と五分。
よっかかって背中を押し合って、ゆっくりいきましょっ。

…え? まずは明日のサンドイッチを人間の食えるものにしろって?

わ、わかってるわよっ、ふーんだっっ!!












sin



・・・孤独とは世界と同調できない己を知ることである・・・

いつもどこにいても世界は自分と同調しうるものではなく異質なものだった

マリナ、お前は云ってくれたね

愛することは力にもなる、俺の支えになれるように優しさを注ぎ続けると。
またこうも云った、この暖かさを失うのが怖いと・・・



その言葉を聞いた時の俺の心は誰にもわからないだろう



・・・いや、俺と同じ心を持つあいつなら不本意ながらわかっちまうかもしれないな。





ああマリナ、
お前こそ俺のただ一つの光、同調しうる世界の全て。

お前のいない日常などもはや考えらない。

お前がいなければ世界は構築する価値もない。






・・・やはりこの感情は「狂い」という言葉の方がふさわしいような気がするぜ。




愛から始まる狂気があるのなら狂気から始まる愛もあっていいだろう?・・・ねぇ、マリナちゃん?












読んでくれてありがとう



2 件のコメント:

maomiyu さんのコメント...

こんばんは、ぷるぷるさん。

コチラではお久しぶりです。ツイで毎日お話しているので今回はなんだかちょっとドキドキです。
今回の闇詩人のモノローグ2アップ有難うございます!久しぶりにオシエルの世界に浸らせてもらえて首までとっぷり浸かってます~イイ湯だな~♪♫
ミシェルとシャルル、それぞれの懊悩というか揺れ動く心が切ないです。手に入れても入れなくても、この二人に安息に日は訪れるのでしょうか…二人とも好きなので訪れて欲しいと思うのですが…マリナちゃんは一人っきり。
難しいですね…三人仲良く~…って訳にもイカンだろうな~。
っとと、話が逸れてしまいました(~_~;)
マリナが傍に居ても不安なシャルル。この幸せの終わりを思ってしまう、幸福に慣れない子供の姿が垣間見えとても切ないです。
傍に居ても、それが偽りでかりそめの一時であると分かっているからこそどうしようもなく揺れて、曖昧模糊な態度を取ってマリナを試すようなことをして、何度も存在を確かめる。やっぱり幸福を信じられない後ろ姿が見えてもどかしい。
マリナちゃん半分こ出来ればいいのに…彼女、器がおっきいから出来そうなんだけど…真実を知ったとき、彼女は何を選ぶのでしょうかね・・・。

こうなると、本編が気になります~~(/ω\)
ぷるぷるさん、素敵な創作本当に有難うございました!!
幸せな三人が見たいと思うのは、儚い蜃気楼のような願いなんでしょうかね・・・。そこにあるのに、手を伸ばしてはいけない人。
Xmasリクで大変な中、読めて嬉しかったデス。
猛暑な季節になってきました。ご家族共に自分も大切にご自愛ください。
それではまたツイで~(o・・o)/~

光と影 さんのコメント...

「恋愛、それは神聖なる狂気である」の言葉を思い出してしまいました。

美しいバラは刺の上に咲く、悲しみの後には必ず喜びがある・・・


この言葉を胸に、双子の幸せを心から祈ってます。