うっふっふ、それじゃ隠してあった新作デザート、いただきますか!
今日1日頑張ったあたしにご褒美よっ。
きゃーん、なんて見事な黄色いまんまるお月様ケーキっ、たまんないわ~!
さてさてそれじゃ、いっただきま~…
RRRRRRRR!
ぎゃ!! な、なによこんな時間にっ、あたしの大事な夜食のじゃましてっ。
あたしはサイドテーブルから携帯をひっさらって肩に挟み、待ち切れずケーキにかぶりついた。
「ふあい、誰よこんな遅くにっ!?」
瞬間、耳に流れ出た声に驚いて、あたしは思わずケーキをごっくんと飲みこんでしまったのっ。
ああっ、まだちゃんと味わってないのにぃ!
対の物語『月の下、愛しい君を想う…』
「―――っンぐっ、ひャルル!! あ、あんたこんな時間にどうしたのよ!?」
なによこのタイミングっ、どっかから見てたんじゃないでしょうねぇ!?
あたしは隠しカメラの存在を疑いながら、警戒するように辺りを見回した。
「予定じゃまだ帰れないはずよね?」
あたしは久しぶりに聞いたその声に、自然と湧き上がるウキウキ感からちょっとにやついて、ケーキを抱えたまんま、月明かりのおちる出窓へ移動し、よいしょっと腰かけた。
「え、そうねぇ…。みんな変わらず元気にやってたわよっ。
そうだ聞いてよシャルル! ジルがなんと庭でイグアナ拾ってねっ、あたしはなんの冗談かと思ったんだけど、これが案外かわいくてさあ。葉っぱ食べさせてりゃいいっていうし、誰が飼うかで競争になったんだけど、実は出入りのクリーニング屋のジャンのペットだったのよっ。
ポケットに入れていつも持ち歩いてたんだって。なんだかガイ思い出しちゃった、あはは!
あいつったら初めて会った時、ワニ連れてたのよっ、今の姿からは信じられないわよねっ。
あとあたし、観光協会から挿絵頼まれたのよっ、スゴイでしょ!
あ、ちゃんと言われてたステップのおさらいもやったわよっ、マナーの講義も逃げないで受けたし、というかなんでか先生の方が逃げちゃったのよねっ。それとね、えと」
次々と溢れてくる言葉が止まらない。
電話向こうで小さく笑うシャルルの息遣いが、たまらなくうれしかった。
「なっ、ナニばかなこと言ってるのよっ。話しはそこじゃなくたってできるでしょっ、シャルルのえっち!!」
「はあ? なんで月であたしなのよ」
「だ、誰がまんまるよっ、失礼しちゃうわね!
ちょっとあんた、なんか声が疲れてるみたい。どっかヘンじゃない?」
「うん、元気ない感じ。具合でもワルイの? マリナさんに正直におっしゃいっ」
「ええ!? だから今回は強行軍すぎるって言ったのよっ、いわんこっちゃないっ。
大丈夫なの?
気持ち悪くない!?
あんたのことだから、またあんまり寝てないんでしょ。ほんとにもう、世話が焼けるわねぇ」
「それで……、どんな感じなの?」
「―――なにそれっ、重症じゃないっ!
あんたこんな電話で油売ってないで、すぐに病院行きなさいよっ。
ちゃんとお医者さんに診てもらってっ」
「そ、そうかもしんないけどぉ」
「えっ、そうなの!? なんなのよ」
「あたりまえでしょ、早く言いなさいよっ」
「ング///!!! …げほっ、がほっ、(ケーキがヘンなとこ入った~)」
「げほゲホゲホっ(み、水~~)」
「んぐんぐ…ぷはっ。・・・う、うるさいわねっ、あんたがヘンなこと言うからでしょ!
け、ケーキなんか食べるもんですかっ(ウソ)レディはこんな時間に、そんなもの食べないわよーだ。
なによもうっ、心配して損したじゃないっ。
でも…ほんとに、そうなの? ふざけてないでちゃんと言いなさいよ!?」
「…なによ」
「はあ?」
「い、今から!?」
「~~~~~わ、わかったわよぉ!
もうっ、行けば…連れてけばいいんでしょっ。
まったく、わがままシャルルっ!」
あたしはぴょこんと出窓から飛び下り、外出用のカーディガンを取りに、小走りにクローゼットルームへと駆け出した。
森に迷い込んだみたいに、色とりどりの布を掻き分け、目当てのものを探し出す。
耳からは、真夜中にダダをこねるあたしの恋人の声が流れてき、相変わらずのその皮肉げな響きで、鼓膜をくすぐっていた。
「…なんていうの? ふふ。名前わかんないと連れて行きようがないものね~」
『―――無教養、無鉄砲、その上チビのくせに大食らいの、およそレディとは言い難いような、日本人の女の子なんだ』
「ムカっ、な、なんですっ…!」
『だけどオレの、何よりも大切な恋人さ。名前は、
イケダ、マリナっていうんだ』
「う~~、…ずるい、シャルル」
『フフ。ああ、車はもう玄関にまわしてあるから。行き先も伝えてある。
それとくれぐれも夜食の用意などはいいからな、迅速かつ速やかに行動してくれよ。
―――オレの症状が悪化しないうちに』
「はいはい、わかってますよーだ。まったく、手回しがいいんだから。じゃね、切るわよ」
『ダメ、通話はこのままで』
「え~~いやよ、あたし寝てくんだからっ」
『かまわないよ、君のイビキでも今のオレにはセレナーデのように優しく響くよ…フフ。
さみしいよ、マリナ―――早く、会いたいんだ』
「…わかった、すぐ行くわ。まんまるお月様でも見ながら、待ってなさい!」
拍手いただけるとガンバレます( ´∀`)
4 件のコメント:
うきゃぁ~~~~☆▼●×!!!
完全に出遅れた~~~(>_<)
ばかばかばかばか、あたしのぶぁか~~~!!
明日仕事だからって9時に寝てるからよぅぅぅ(;_;)シクシク
皆さまみたいにアップ日に興奮コメしたかった・・・。
ぷるぷるさま、興奮してご挨拶遅くなってすみません。
むちゃこです(^^)/
えへへ~、でもね。
すっごい叫んじゃった~~(*^^*)
2つもお話アップしてあるし~~~~!!
2人の会話が・・・も~なんだか読んでるこっちが照れちゃう(*^^*)
本当らぶらぁ~ぶなんだから!!
さぁ、ウォ~ミングアップして心臓馴らしたところで!!
大人でよかったぁ~~~な扉を開けてきま~~す!!
あ、ハナセレブ、ハナセレブ(*^^*)ワクワク♪
むきゃ~~~○▲×※!!!
むっちゃこさん~~いつもいつもありがとぉ~~(*><*)
興奮コメwww ウフンwむちゃこさんのコメはいつもいつでもv
ぷる超コーフンですわ~~ん♪
あはは(^^;
シャルルの言葉一方的に書いちゃったやつだから、実は合わせるのちょいタイヘンだった…というのは、オフレコでよろです(大笑)
え、らぶらぶしてる!!? よかった~~(^^*)
てへ、ラブコールvなんかイイですよね~w 彼らが携帯で話してるっていうのがもう(笑)なんせ8、90年代の彼らですから! あはははh☆
うっ、これから行かれるんスか^^;
行ってラッサい!! …といっていいものか(笑)
すげぇvむちゃこはん! ハナセレブつこてるん!!?
あれ高くなかったっけ?笑 ぷるはダーリンが仕事でいつだか大量にもろてきた、ポケットテッシュやで~~あはは!!
ぷるさま!!
あ、アタシ会社で吹いちゃったっす!!
○ェイロンがどんなカッコしてんのか気になって仕事中に調べても~たら・・・
「離陸するつもりか君は!!」
て~コメント見ちゃいまして・・・。
ぶふぉっ(>///<)っ
周りいっせいにこっち見る!になっちゃった~~~(恥)
で、なに、なにと囲まれて「この車知っとる~~?」って聞いたんだけど、さすがド田舎だ~れも知らんかった~~(笑)みんなそれでもオノコかぁぁぁぁぁぁ!!(怒)ですた★
ちなみに「話題提供」ってことでサボってたことは免罪な平和な事務所です(^^)v
想像以上にマッハGOGOな車だったんでビックシしましたが、これ運転出来るし~サマかっこぇぇ(はぁと)♪
ふふ、キョーも逃避行♪♪早く帰りたいし!!
しばらく溺れそうですワ、ホホ(*^^*)イヤン
昨日心拍数あがりすぎて全然眠れんかったとデス(///)
そうそうHanaserebuはこ~ゆ~非常事態限定使用っすよ~~!(^^)v買っといてよかった(笑)
むちゃこはんw
朝もはよからアナタ!!(爆)www
どんだけぷるを喜ばせてくれるんですか><*
ええ~~○ェイロン調べてくれたの!!? うれしいいいいw
つか「離陸」って………!!!!
あ、あはははっははははっははh!!!!!!!
さいこ~~~ww なんじゃそりゃ~!!
確かにキモチはわかるが、面白すぎるだろ~v
え、お仕事中におじさまたちの中で吹いちゃったの!?
カワイイww
あ~~やっぱ知らないか^^;
ぷるも『月の下』書き始めて、シャルルの車なんにしよっかなぁと調べて初めてみっけたんだもんvコレ。
ともんさんとこが、ボンドカーだからw(アストンマーチン)同じじゃ芸がないなーと思ったらっっ><!!!!
彼に巡り合ったのよよよ~~♪
そのことで、『月の下』がちょっとスパイスきいたものに仕上がって、ほんとにラッキーでした!!
世界にはすっごいモノがたくさんあるんだね!!^^
実は昨日アメリカの方からお手紙もろてw○ェイロンは思ってたよりもエレガントで、し~様には似合うってわかってww喜んでたンすよ!! その方、シートに座ったことあるらしく!!!><きゃああああwwですv
あれ、すごいっすよ! ラルフローレンとか、シュワ知事も持ってるんだって!!!にょおおおおwww/// たまんねぇ、萌えますっハアハア
それを駆るシャルル/// うはああああwww(ヨダレ)ですよねv
うっ、寝不足/// ぷるにはとても嬉しい褒め言葉でしかないが、うわーんごめん~~むちゃこさん~~(T∇T)
よく寝てくれ~v …で、夢の中でシャルルにイイ子イイ子してもらってネ☆笑
そっか、非常用か!!
よし、ぷるも今度非常用にPCのそばに待機させとくよv(何の…///!!?)
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